連合岩手は、連合が全国で進めている地域フォーラムを、「震災復興」と「クラシノソコアゲ」を一体的に進める出発点として「震災復興&クラシノソコアゲ地域フォーラムin岩手三陸」という名称で4月15日(土)13:30から大船渡市リアスホールで開催しました。
「地域フォーラム」は連合岩手と気仙地協、釜石・遠野地協、宮古地協を中心とした実行委員会で運営し、当日は170名が参加し、基調講演やパネルディスカッションを通じて、「震災復興&クラシノソコアゲ」を考えました。
「地域フォーラム」では、主催者を代表して連合岩手の齋藤会長があいさつ、今回のフォーラムを出発点として少なくとも向こう5年にわたり震災復興の課題について地域や大学をはじめとする幅広い分野と連携して研究や解決に向けた取り組みを進める決意を述べました。
また連合本部・山根木総合局長と地元・大船渡市の戸田公明市長よりご挨拶をいただきました。
基調講演では、岩手大学人文社会科学部の杭田俊之准教授が「復興の『壁』を超えるために~産業と雇用の再生取り組み事例から~」をテーマに、震災以降、三陸沿岸の産業と雇用の再生について研究してきた成果と課題から浮かび上がった「壁」と、その「壁」を乗りこえるための「人づくり」や分野・局面を超えた「しくみづくり」について課題提起を行いました。
パネルディスカッションでは、杭田准教授をコーディネーターとして、行政から岩手県復興局の熊谷正則総括課長、経営者から(株)マイヤの米谷春夫社長、福祉現場から宮古市社会福祉協議会の有原領一さん、メディアから岩手日報社報道局の金野訓子さん、労働組合から連合本部・山根木晴久総合局長がパネリストとして課題提起とディスカッションを行いました。
岩手県の熊谷課長からは、復興計画の最後の実施計画となる「第3期復興実施計画」の方向性について説明をいただきました。
マイヤの米谷社長からは、震災直後のマイヤの取り組みや6年経過後の課題として人手不足や競合激化、社員のストレス過多などについて課題提起をしていただきました。
宮古市社会福祉協議会の有原領一さんからは、生活困窮者支援を通じての課題について現状報告と課題提起をしていただきました。
岩手日報社の金野訓子さんからは、遺族アンケート調査から浮きぼりになった暮らしの課題について現状報告をしていただき、とりわけ心の回復と生活再建の重要性について課題提起をしていただきました。
連合本部の山根木総合局長からは、震災直後のボランティア活動の取り組みから現在までの政策・制度実現の取り組みの報告や今後も被災地に寄り添った取り組みを進める決意を述べていただきました。
ディスカッションでは、「ハート」「自立」などのキーワードでそれぞれの意見を述べていただき、フロアからは最後まで参加していただいた大船渡市の戸田市長から復興に取り組む決意も含めた発言をいただきました。
今回のフォーラムは、労働組合だけでなく大学や行政、福祉団体、企業、メディアなど幅広い分野を超えて現状や課題の共通理解を深め、手を携えて復興に取り組む出発点と位置づけて開催しました。
連合岩手は講師を勤められた杭田准教授と連携して研究活動を進めるとともに、引き続きフォーラムを開催し運動の到達点やその都度の課題について解決の道筋を探りたいと考えています。
フォーラムについては、隔年で沿岸と内陸での開催とし、中期的なスパンで取り組んでいきます。
参加された皆さんや準備にあたった実行委員の皆さんに改めて感謝いたします。