2020年5月1日、メーデー100周年の記念すべき年でありましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として第91回メーデー岩手県中央集会は中止とし、これまでテレビCM、ラジオCM、新聞広告、Facebook、Instagramなど、様々な媒体を通じて岩手県民のみなさまに対してメーデーのアピールを行い、そして、今年のメーデーに対する最後のアピールとして、街宣活動を実施しました。
街宣活動は、連合岩手の街頭宣伝カーを使用し盛岡市内を中心に走行。メーデー集会中止の案内や、なんでも労働相談のダイヤルのPRを実施。また、街頭宣伝行動を岩手県庁前とクロステラス盛岡前の2カ所で実施し、連合岩手八幡博文会長をはじめ、連合岩手副会長の5人が各産業別労働組合の現状を報告しました。
八幡会長は「 離れて つながろう 」のメッセージを力強く発信し、「昨今の状況で、職場や労働環境において困りごと悩みごと、感じたことがあれば、一人で抱えず、連合岩手のなんでも労働相談に電話してほしい。」と訴えました。
また、連合岩手副会長から訴えた各産業別労働組合の現状など、一部を紹介します。
谷藤 学 副会長(情報産業労働組合連合会岩手県協議会 議長)より
昨今の状況で、テレワークや在宅勤務など、オンラインによるコミュニケーションが広く推奨されており、情報通信産業は、通信の確保に向けた業務を継続するとともに、今後感染が拡大したとしても、国の指定公共機関としてライフラインを確保する使命があります。職場では、時差出勤、勤務ロケーションの分散、テレワーク・在宅勤務など、組合員の感染リスクを減らし、特に通信設備の運用・保守業務に携わる組合員の業務継続を最重要課題としています。
さらには、全国の情報労連の加盟組合には、医療分野・食品・製造など、幅広い業種・業態に仲間が存在しています。医療職場では、医療資材の確保や人員確保の問題、食品・製造分野では、自粛要請による販売不振や生産調整などが重なり、休業協定をする組合も発生しており、例外なく深刻な状況となっています。
我々労働組合では、働く仲間の生活への影響を注視し、連合岩手の中でも情報を共有しながら、ご家族を含めた安心・安定に幅広く対応していきます。
金田一 文紀 副会長(岩手県教職員組合 中央執行委員長)より
学校・医療・介護・保育の現場はそもそも人が足りていない状況化で、コロナ対策を求められています。学校再開ガイドラインでは、児童・生徒や教職員の毎朝の検温、風邪症状の有無の確認、手洗いや咳・エチケットの指導、学校医・学校薬剤師と連携した保健管理体制を整える、環境衛生を良好に保つ、抵抗力を高めることが重要であることの指導、3つの条件が重る学習の遅れに関する対応・対策の検討、部活動の実施内容や方法を工夫したうえで感染防止の対応を行う、学校給食の実施にあたり感染防止のための工夫を行う、放課後児童クラブなどの為に教室などの活用の検討、が求められました。岩手県内の学校ではさらに、児童・生徒の活動場所の消毒など、日常の学校生活の活動に加え、これらの対策や児童・生徒への指導が求められています。
学校でもし感染が起きた場合、学校は休校となりますが、感染の疑いのある児童・生徒は児童クラブで預かることはできず、まさに感染者が出ないよう祈るしかない状況にあります。これでは労働者の安全衛生が保たれません。政府等の指針では、労働者へのマネジメントの観点が無いことから、責任者のみに任せるのではなく、労働者の安全衛生の観点を踏まえ、委員会として調整すべきと考えます。50人未満の職場でも同様です。また、新型コロナの影響で内定を取り消された方々に対し、会計年度任用職員として岩手県が募集する施策について、対象者の拡大(休職者・離職者など)を図り、現在人手が不足している、医療・介護・保育現場を充実させるため、マンパワーの確保をお願いしたい。各市町村についても、ぜひ取り組んで頂きたい。
佐々木 秀市 副会長(岩手県高等学校教職員組合 執行委員長)より
2月27日に全国学校一斉休業が突然出されました。ほとんどの高校が3月1日に卒業式を迎えることになっおり、その後も、高校入試、修了式、成績通知等、様々な業務・イベントが山積しておりました。その中での臨時休業、学校現場では混乱が生じました。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点で理解は出来ますが、学校現場で働く教職員、卒業を控えた子どもたち、影響を最小限にするための事前協議も必要だったのではないでしょうか。今、全国各地で学校の臨時休業が継続されています。岩手県においては、最小限に留めていますが、影響は大きいです。なかでも、授業日数の確保については、喫緊の課題になっています。文科省ではICT*を活用したオンライン授業等を推奨いるが、岩手県においてはインターネット環境の整備が十分とは言えません。岩手県の教育予算や、家庭の経済的格差が、教育格差に繋がらないよう、我々は声をあげていきます。
※ICTとは、「Information and Communication Technology」の略で、通信技術を活用したコミュニケーションを意味します。
熊谷 洋一 副会長(日本郵政グループ労働組合岩手連絡協議会 議長)より
新型コロナウイルス感染症が拡大している状況下においても、ユニバーサルサービスを維持し、国民の生活を支え、インフラ機能を支えていくために、日本郵政グループに求められている役割を遂行するため、業務に取り組んでいますが、現場では、感染リスクを抱えながら業務運行を確保しており、その環境下で働く者の安全・安心の確保は大前提としなければならず、JP労組は会社が果たすべき職場と社員への安全配慮の徹底を求めています。
利用者の皆さまには、郵便事業においては営業時間の短縮や、対面によらない配達の実施、当日受付の再配達の休止、金融受付窓口数の削減や、窓口カウンターに飛沫飛散防止のためのビニールシートを設置するなど、ご不便をかけていますが、「お互いがウイルスに感染しない・感染させない」ことへご協力頂いております。
これから日本政府の要請に基づく「布製マスク」の配達対応や「特別定額給付金関係郵便」の対応など、今後も生活インフラとして、ユニバーサルサービスの義務を果たしていくこと。そして、最前線で働く組合員の安全・安心、健康確保を大前提とした取り組みを行い、不安を解消していきます。
山岸 伸行 副会長(全日本運輸産業労働組合岩手県連合会 書記長)より
連合の交通運輸部門は、JR、バス、タクシー、トラック等の労働組合で構成されています。新型コロナウイルス対策として非常事態宣言が発令され、国は大型連休中も外出自粛や在宅勤務を推進していますが、JR、バス、タクシー等の公共交通、トラック等の物流は生活インフラ・ライフラインの確保として、大型連休中も業務の継続を要請されております。運転手は、感染地域への運行による不安を抱えながらも、感染防止対策に務めながら、お客さまや食料・日用品の運搬業務を継続しています。にもかかわらず、一部の心ない方々から感染地域へ行っている運転手の子どもは入学式に出るな、高校へ行かせるな、保育園では預かれない、コロナウイルスを運ぶな等、軽率な発言がなされていることは非常に残念です。このようなことが言われている運転手は、旅行や遊びに行っているわけではありません。誤った判断や言動により、交通や物流など社会生活を支えるインフラ機能に大きな支障をきたすかもしれません。今こそお互いに理解し合い、みんなでこの難局を乗り越えていきましょう。